矯正歯科コラム

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矯正治療の後戻りについて知りましょう

矯正歯科
矯正治療の後戻りについて知りましょう

矯正治療で手に入れたきれいな歯並びが、もし元に戻ってしまったらとても残念ですよね。きれいな歯並びを維持するためには、矯正治療後に注意するべきポイントがあります。今回は、矯正治療後の「後戻り」について、原因や防ぐ方法を解説します。

矯正治療後の後戻りとは
矯正治療後の後戻りとは、時間が経つにつれて矯正治療で整えた歯並びが元に戻ってしまう現象のことです。矯正治療では、歯を支える骨の吸収と再生の働きを利用して歯を移動させますが、矯正器具の装着期間を終えたばかりの段階では、歯の周辺の骨はまだ不安定な状態です。

そのため、日常生活での食事や習慣などの口の動きにより歯に負荷がかかり、元の状態に戻ってしまう場合があります。特に、矯正のために抜歯などをして歯を大きく移動させたケースでは、歯が元の状態に戻ろうとする力が大きく働くため、後戻りのリスクが高くなります。

後戻りを防ぐためのポイント3つ
矯正治療後の後戻りを防ぐためには、矯正した歯並びを固定するための「保定期間」が重要です。保定期間における、後戻りを防止するポイント3つを紹介します。

・適切なリテーナーの使用
最も大切なポイントは、「リテーナー」と呼ばれる保定装置を適切に使用することです。リテーナーには、歯に針金などで接着する固定式と、取り外しができる可撤式があります。可撤式タイプは自由に取り外しができる反面、装着を怠ってしまった場合に後戻りが起きるリスクが高まります。医師の指示に従って、しっかりとリテーナーを使いましょう。

・歯並びを悪化させる習慣の改善
歯並びを悪化させる原因の一つに、頬杖や舌癖、横向き寝などの習慣があります。日常生活の中で歯に力がかかり続けることで歯並びが悪化するため、せっかく矯正治療で歯並びを整えても、習慣を直さなければまた歯並びが悪くなってしまう場合があります。後戻りを防ぐためには、このような悪い習慣の改善が必要です。

・早期の受診
矯正治療後に歯並びが元に戻ってきたり、噛み合わせに違和感を覚えた場合、なるべく早く歯科を受診しましょう。リテーナーの装着方法の見直しや、マウスピースの装着など、早期対応で後戻りの進行を抑え、歯並びを再び整えるための治療を受けることが大切です。

記事監修 深谷矯正歯科 院長 深谷哲郎

深谷矯正歯科 院長 深谷哲郎

■略歴

  • 1988年3月 栃木県立真岡高等学校卒業
  • 1994年3月 北海道大学歯学部卒業
  • 1994年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科入局
  • 1998年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科医員
  • 1999年4月 赤坂まつの矯正歯科非常勤勤務
  • 2001年4月 ふかや矯正歯科開院
  • 2003年4月 船橋市立行田東小学校学校歯科医

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