矯正歯科コラム
COLUMNデジタル矯正は高いの?
近年、歯科用CTや光学3Dスキャニングカメラといったデジタル機器を活用して行なわれるデジタル矯正システムが注目を集めています。今回は、デジタル矯正にかかる費用や特徴について分かりやすくご紹介します。
デジタル矯正と従来の矯正費用に大差はない
デジタル矯正は、基本的に他の矯正と同様に保険適用外の治療です。歯列を3D画像で再現できる口腔内スキャナー、顎顔面骨格を読み取るコーンビームCTといった最新のデジタル機器を使用する分、費用が高額になると思われる方も多いでしょう。
たしかに、歯科医院側は初期導入時に莫大な機材費がかかります。しかし、従来の矯正治療で人の手に頼っていた複数の工程をデジタル化でき、結果的に人件費を削減することにつながるため、デジタル矯正と従来の矯正の費用に大きな差はありません。
また、歯列や骨格の状態をコンピューター上で正確に再現できることから、より効率的に歯を動かすことができ、従来の矯正治療に比べて治療期間や通院回数が少なくなるのが一般的です。その分費用を抑えられるため、まずはデジタル矯正治療を行なっている歯科医院に相談してみましょう。
治療法はトータル的に判断するのが大切
矯正治療にもいくつか種類があり、中には「とにかく歯並びがきれいになればいい」と費用だけで選ぶ人がいます。しかし、最終的に満足できる結果を出すためには、費用だけでなくリスクや効率、期間などトータル的に判断するのが重要です。
デジタル矯正における最大の特徴は、その正確性にあります。最新のデジタル機器は精度が非常に高く、従来の矯正治療では確認が難しかった骨の状態を正確に把握することが可能です。その上で治療を行なうため、これまで矯正治療のリスクとされていた歯根吸収や歯肉退縮といった症状を軽減できる可能性があります。
本来肉眼では確認できない歯根や骨の状態を実際に確認してから治療を進めることで、患者様と医師の双方が安心して治療に臨めるというメリットもあります。
しっかりと比較をして自分に合った矯正治療を受けよう
先進的な機器を活用したデジタル矯正治療は、従来の矯正治療と比べて費用面に大きな差はなく、より効率的に、より安全に治療を受けることができます。矯正治療のリスクが不安な方、ぜひ歯科医院へ相談してみてください。
記事監修 深谷矯正歯科 院長 深谷哲郎
■略歴
- 1988年3月 栃木県立真岡高等学校卒業
- 1994年3月 北海道大学歯学部卒業
- 1994年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科入局
- 1998年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科医員
- 1999年4月 赤坂まつの矯正歯科非常勤勤務
- 2001年4月 ふかや矯正歯科開院
- 2003年4月 船橋市立行田東小学校学校歯科医
■所属学会