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舌側矯正のメリットとデメリットを徹底解説

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舌側矯正のメリットとデメリットを徹底解説

歯の裏側に矯正器具を装着し、矯正治療を行なうことを「舌側矯正」、もしくは「裏側矯正」と呼びます。外から見ても矯正装置に気付かれないことが大きな特徴です。今回はそんな舌側矯正のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

◎舌側矯正のメリット
舌側矯正の最大のメリットは、外見に支障が出ないことです。歯の裏側に矯正器具を装着するため、周りから気付かれる心配がほとんどありません。学生や見た目が重視される職業の方まで、幅広い層から選ばれています。また、矯正治療中は食べカスの付着が気になり食事が楽しめないという声をよく耳にしますが、舌側矯正の場合は外から見える心配もありません。さらに一般的な矯正治療に比べ、場合によっては虫歯になりにくいというのもメリットです。

歯の外側に矯正器具を装着すると、口を閉じにくくなることから口腔内が乾燥し、虫歯を助長させてしまいます。
一方、舌側矯正であれば矯正器具は常に唾液で循環されている状態となり、殺菌作用や再石灰化作用が働き、虫歯ができにくい環境となるのです。矯正治療を希望する方の中には、内側から舌で歯を押す癖が原因で出っ歯や開咬を引き起こしているケースがあります。舌側矯正で裏側に矯正器具を装着することで舌癖がなくなり、歯並びの後戻りを防ぐ効果もあると言われています。

◎舌側矯正のデメリット
舌側矯正は、一般的な矯正治療に比べて、上顎の大臼歯が回転しやすく、犬歯や前歯部を後方に移動するとき、摩擦力が強くなるため、歯の移動に時間がかかることがあります。ただし、そういうケースを解消するために付加的装置を付けることもあります。

また、注意しておきたいのが、歯磨きのしにくさです。そもそも歯の裏側は磨きにくい部分ですが、矯正器具があると食べカスなどがまとわりつき、さらに歯磨きしにくくなります。汚れを放置すると炎症や口臭の原因になるだけでなく、装置を歯茎が覆ってしまうことがあり、治療に支障をきたすことがあるため、常に丁寧な歯磨きを心がけることが大切です。また、舌側矯正は高額になるのが一般的です。矯正器具がオーダーメイドとなること、器具の設置に手間がかかることから、表面矯正に比べて1.5倍ほどの費用がかかることを理解しておきましょう。

記事監修 深谷矯正歯科 院長 深谷哲郎

深谷矯正歯科 院長 深谷哲郎

■略歴

  • 1988年3月 栃木県立真岡高等学校卒業
  • 1994年3月 北海道大学歯学部卒業
  • 1994年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科入局
  • 1998年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科医員
  • 1999年4月 赤坂まつの矯正歯科非常勤勤務
  • 2001年4月 ふかや矯正歯科開院
  • 2003年4月 船橋市立行田東小学校学校歯科医

■所属学会

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