矯正歯科コラム

COLUMN

舌側矯正を始める前に知っておきたいこと

矯正歯科
舌側矯正を始める前に知っておきたいこと

周囲に気付かれにくいという理由で人気の高い舌側矯正。しかし、舌側矯正には一般的な表面矯正にはない注意点がいくつかあります。今回は、舌側矯正を始める前に知っておきたいことについてご紹介します。


◎舌側矯正は違和感を覚えやすい
矯正治療を受ける場合、どの治療法によって差がありますが、通常3日~2週間は少なからず違和感を覚えるものです。中でも舌側矯正は、装置を付けることで口の中の空間が狭くなり、舌の行き場がなくなることから装着後にしゃべりにくさを感じます。特に、音を発する際に歯の裏側に舌を当てる「サ・タ・ナ・ラ行」は発音しにくくなり、慣れるまでは周囲の人にも滑舌が悪くなったと思われることがあります。ごく稀ですが、無理に発音しようとして、矯正装置で舌を傷つけたり、装置と接触する部分に口内炎ができたりしてしまうケースもあります。

多くの人が1~2週間で自然と発音できるようになるため、徐々に慣らしていくつもりで過ごしましょう。また、矯正治療中は食べたものがワイヤーに引っかかったり、固いものを噛んだ時に痛みを感じたりすることがあります。食事のストレスとしては表面矯正も同様ですが、舌側矯正はより食べ物が口の中に残りやすいため注意が必要です。

◎舌側矯正は丁寧な歯磨きが必須
舌側矯正は、一般的な表面矯正に比べて歯磨きがしにくく、汚れが残りやすいという点も理解しておく必要があります。歯と装置の間に食べかすや汚れが残ってしまうと、虫歯を誘発するだけでなく、歯周病や口臭を引き起こす原因にもなります。舌側矯正を行なっている間は、電動歯ブラシやウォータージェットを使用して磨くことをおすすめします。ここで大切なのは歯の表面だけではなく「矯正装置を磨く」ことです。

矯正装置は歯肉に近いため、汚れが溜まりやすい構造になっています。そのため、ブラケットの上から歯ブラシの毛先を斜めに当て、小刻みに動かしながら1本ずつ進めていきます。その際、奥歯や歯ブラシの毛先が届かない部分には、タフトブラシや歯間ブラシなどを補助的に使用すると汚れを除去しやすくなります。
ブラケットの上部を磨いたら、今度は下から斜めにブラシを当て、同じように1本ずつ丁寧に磨きましょう。矯正治療中は、通常の歯磨きに比べると時間と手間がかかりますが、トラブルなく治療を終えるためにも、丁寧な歯磨きを習慣づけることが大切です。

記事監修 深谷矯正歯科 院長 深谷哲郎

深谷矯正歯科 院長 深谷哲郎

■略歴

  • 1988年3月 栃木県立真岡高等学校卒業
  • 1994年3月 北海道大学歯学部卒業
  • 1994年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科入局
  • 1998年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科医員
  • 1999年4月 赤坂まつの矯正歯科非常勤勤務
  • 2001年4月 ふかや矯正歯科開院
  • 2003年4月 船橋市立行田東小学校学校歯科医

■所属学会

最新記事

カテゴリー

月別アーカイブ