矯正歯科コラム

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口腔内をスキャンできるiTero(アイテロ)をご存じですか

矯正歯科
口腔内をスキャンできるiTero(アイテロ)をご存じですか

矯正治療を行なうにあたり、欠かせないのが歯並びの型取りです。しかし、従来の型取りには、いくつかのデメリットが存在しました。本記事でご紹介する口腔内3Dスキャナー「iTero(アイテロ)」を導入することで、これまでよりも快適かつスピーディーな型取りが期待できます。

口腔内3Dスキャナー「アイテロ」とは

アイテロは、インビザラインなどマウスピース矯正の際に使用する口腔内三次元スキャナーです。口腔内をデジタルスキャンして、嚙み合わせや歯並びの情報を正確に取得します。歯科先進国であるアメリカやヨーロッパを中心に、各国の歯科医院で多く導入されています。

これまでの型取りは、詰め物や被せ物を作る際に用いる「印象材」と呼ばれるシリコン材料を口に入れ、材料が固まるまで数分から数十分程度待つ必要がありました。時間がかかるうえに、待機中に気分が悪くなる方が多いのも懸念点でした。

しかし、アイテロであれば、スキャナーで数分間歯をなぞるだけでスピーディーに歯型を採取できます。口の中に材料を入れる不快感や、型取りの材料が固まるまでの待機時間といったデメリットを解消します。また、採取した歯型の情報をデータとして保存・閲覧ができ、よりスムーズな診療が可能となりました。

アイテロの3つの特徴

上述の通り、アイテロは従来の型取りと比較し、治療のスピードや精度の高さが大きく向上しています。以下に、アイテロの特徴についてまとめました。

数分で型取り可能なハイレベルなスキャンスピード
高精度なデジタル技術で従来よりも正確性の高い歯型の生成
高解像度による三次元画像シミュレーション

最大の特徴は、型取りのスピードの速さです。前述の通り、従来の型取りはシリコンが固まるまで数分から十数分ほど必要でしたが、アイテロはスキャナーの光を歯に数分当てるだけで完了します。嘔吐反射が強い方でも抵抗感なく安心して利用できるでしょう。

また、高精度のデジタル技術を用い、歯の状態をより正確にスキャンします。機種により差はありますが、1秒間に数千枚の撮影が可能なため、歯の細かな凹凸や重なりを忠実に再現できます。そのため、より精度の高いオーダーメイドマウスピースができ上がります。

さらにアイテロでは、予想されるおおまかな治療結果のシミュレーションも可能です。さまざまな角度から歯並びを確認できるため、治療後のイメージがつかみやすく、患者さまのモチベーションアップにも繋がるでしょう。

記事監修 深谷矯正歯科 院長 深谷哲郎

深谷矯正歯科 院長 深谷哲郎

■略歴

  • 1988年3月 栃木県立真岡高等学校卒業
  • 1994年3月 北海道大学歯学部卒業
  • 1994年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科入局
  • 1998年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科医員
  • 1999年4月 赤坂まつの矯正歯科非常勤勤務
  • 2001年4月 ふかや矯正歯科開院
  • 2003年4月 船橋市立行田東小学校学校歯科医

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