矯正歯科コラム

COLUMN

矯正歯科の治療計画について

矯正歯科
矯正歯科の治療計画について

矯正治療では、個人にあわせた治療計画を立てることがとても重要です。
今回は、治療計画の立て方や必要性について詳しく解説していきます。

確実かつ最短の治療効果を得るための設計図
矯正治療では、歯並びを正しい位置に動かしていくと同時に、顎の形も少しずつ変形し整っていきます。理想の歯並びになるまでに歯や顎の形がどのように動き、どのように歯並びが整っていくか、その過程をシミュレーションしておくことは大変重要です。治療計画は、いわば矯正治療における設計図のような意味合いがあります。治療計画を立てることで、治療のゴール(目標)に向けて確実に治療効果が出ているか確認することができます。

治療計画は治療を受ける患者様にとっても重要な指針です。どのような過程を経て歯並びが整っていくのかを把握できるため、患者様自身にとって大きな安心材料となります。治療過程において別の処置が必要になった場合や器具を変更する必要が生じた際も、治療計画を把握しておくことで医師の意向がスムーズに伝わります。

治療の内容や期間を把握し、患者様自身が納得して治療に取り組むことができる点が、治療計画を立てる大きなメリットです。

治療計画の立て方
歯並びや噛み合わせが悪くなる原因には多くの要因が考えられ、十分な治療効果を得るためには原因と要因の分析が不可欠です。そのため、治療前には必ず精密検査を行ない、お口の中の状態や歯並びを綿密に確認してから治療計画を立てます。精密検査では、口腔内や顔全体の写真を撮影します。さらに、レントゲン撮影を行ない、歯並びや顎の状態を確認します。歯の矯正治療は顎や顔全体の骨格にも影響するため、治療前と治療後の比較にも顔の写真撮影が欠かせません。レントゲンは目視確認のできない歯の根元や、お子さまの場合であればこれから生えてくる永久歯の状態確認が可能です。また、CT撮影によって、いままでわからなかった骨と歯の位置的のバランスと、動かすことができない位置の確認をすることもできます。

さらに虫歯や歯周病の有無をチェックして、歯や歯を支える骨の状態も確認します。重度の歯周病に罹患していると、歯槽骨(歯を支えている骨)がもろくなっている可能性があり、歯を動かす治療に耐えられません。そのため、矯正治療を始める前に歯周病を治療しておくことが大切です。

このような精密検査をもとに、噛み合わせの状態や歯並びが乱れている原因を追究し、治療のプランを立てます。歯並びの改善に向けた過程をシミュレーションするためにも、治療計画が重要な役割を果たします。

記事監修 深谷矯正歯科 院長 深谷哲郎

深谷矯正歯科 院長 深谷哲郎

■略歴

  • 1988年3月 栃木県立真岡高等学校卒業
  • 1994年3月 北海道大学歯学部卒業
  • 1994年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科入局
  • 1998年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科医員
  • 1999年4月 赤坂まつの矯正歯科非常勤勤務
  • 2001年4月 ふかや矯正歯科開院
  • 2003年4月 船橋市立行田東小学校学校歯科医

■所属学会

最新記事

カテゴリー

月別アーカイブ