矯正歯科コラム

COLUMN

インビザラインを使った治療の期間について

インビザラインを使った治療の期間について

インビザラインは、歯科先進国アメリカのアライン・テクノロジー社が開発した「矯正歯科治療」の1つです。マウスピースを装着することで歯を動かす治療法として、1997年に開始されて以来、治療実績は世界100ヵ国以上で1,100万人にも上ります。

◎治療には「動的矯正期間」と「保定期間」がある
世界的にも高いシェアを誇るインビザラインですが、他の矯正治療に比べて治療期間が長くなるということを耳にしたことがあるかもしれません。実は、症例によって期間は異なり、ワイヤー矯正もマウスピース矯正も一概に治療期間を比較できません。

インビザラインによる治療では、一般的に1年から5年間が動的矯正期間、その後は保定期間とされています。「動的矯正期間」とは実際に歯に力を加えて歯を動かして、かみ合わせを改善する期間のことで、「保定期間」とは矯正治療が終了した後、歯の後戻りを防ぐために保定装置を装着する期間のことを言います。保定期間は、動的矯正期間と同程度かそれ以上の期間を要するのが一般的で、固定装置の使用期間及び動的矯正治療の難易度によっては、1日あたりの使用時間が短い場合には保定期間も延長され、結果的に治療が長期にわたる可能性があります。

◎ワイヤー矯正との併用が可能
インビザライン治療で十分な効果を得るためには、マウスピースを1日最低20時間以上、できれば22時間装着するのが好ましいとされています。基本的には食事と歯磨きの時以外はほとんど1日中マウスピースを装着しておく必要があります。治療方針はあくまでもビッグデータを基に算出された平均的な歯の移動スピードと装着時間が守られることを前提として立てられるため、それを怠ると治療期間が延びてしまうということをしっかりと理解しておきましょう。

一方、インビザラインのみでの治療が難しい(日本矯正歯科学会の治療ガイドラインに基づき)と判断された場合には、ワイヤー矯正を併用することもあります。裏側からのワイヤー矯正治療であれば、外からは見えにくい位置になるため、インビザライン単体での治療と同様、周囲の視線を気にすることなく治療が継続できます。

◎インビザラインで治療期間を短縮するには自己管理がポイント
インビザラインの治療期間は長くなりがちですが、装着時間を守る、口腔内の清潔を心がけるといったことを順守すれば、治療計画に沿ったスムーズな治療が可能となります。
虫歯治療などが必要にならないよう、根気強く矯正治療を続けましょう。

記事監修 深谷矯正歯科 院長 深谷哲郎

深谷矯正歯科 院長 深谷哲郎

■略歴

  • 1988年3月 栃木県立真岡高等学校卒業
  • 1994年3月 北海道大学歯学部卒業
  • 1994年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科入局
  • 1998年4月 東京医科歯科大学歯学部第2矯正科医員
  • 1999年4月 赤坂まつの矯正歯科非常勤勤務
  • 2001年4月 ふかや矯正歯科開院
  • 2003年4月 船橋市立行田東小学校学校歯科医

■所属学会

最新記事

カテゴリー

月別アーカイブ